腰痛や膝痛で治療院に行くと、「腹筋や大腿部の筋肉をつけましょう」といった筋力強化の指導をされることが多いと思います。では、筋肉をつけると膝や腰などのトラブルは無くなるのでしょうか?
答えを言うとトラブルは無くなりません。確かに特定のインナーマッスル(深部の筋肉)を鍛えることでトラブルの発生率は下げられると思います。しかしインナーマッスル強化しても身体の各部のトラブルを100%は防げません。では、なんで筋肉をつけないといけないのでしょうか?
筋肉の働きの一つに身体を支える作用があります。この支える作用が強ければ、動作の負荷が身体の各部にかかってもしっかり筋肉が負荷を吸収してくれます。逆に筋力が弱ければ各関節に大きな負荷がかかることになります。なので、膝痛や腰痛をおこした場合に筋力が弱いと筋肉に負荷が吸収されず痛みが発生しやすくなります。筋力強化の意義はインフルエンザの予防接種に近いと思います(予防接種もインフルエンザは予防できないが重症化を防ぐ)。
なぜ筋力強化をする必要があるかは理解していただけたと思います。しかし実際、筋力を強化するのはなかなか大変です。なので重要なのはとりあえず現時点の筋力を落とさないようにすることです。筋力維持の運動であれば比較的楽に達成できます。身体のトラブルをお持ちの方は治療院などに相談していただき、また積極的に自身が治療に取り組んでみてください。最後までご覧になっていただきありがとうございました。